別府鶴見丘高生徒のアイデア、市の事業に採用 別府市で世界の食文化イベント【大分県】

会場でイベント名の入ったシャツを見せるカーン・ハリマさん(左)、安部さくらさん=別府市山の手町のビーコンプラザ
10カ国・地域以上の約20ブースが並んだ

 【別府】生徒たちのアイデアが、別府市主導の大規模イベントに―。別府鶴見丘高のグループが発案した「スプーンオブワールド」が市内で開かれた。世界各国・地域の味を楽しめる催し。ルーツや宗教の違いを超えて共生社会の広がりを目指す理念が支持を得て、初開催から1年で市の予算が付く企画に育った。

 3月下旬、ビーコンプラザ(山の手町)の大ホールに10カ国・地域以上の約20ブースが並んだ。マレーシアのサテ、パキスタンのビリヤニ…。買い求める客の列があちこちで延びた。自分の名前をタイの文字で書き表してもらうコーナーや各種ステージショーもあった。

 発案したグループの中心を担ったのがカーン・ハリマさん(17)、安部さくらさん(17)=ともに今春から3年。1年時の探求型授業で「食を通じて世界をつなぐ」アイデアが生まれた。国籍や出身、宗教が違っても「食べる」行為は同じとの考えからだ。

 昨年3月、市文化国際課の協力を得て市役所中庭で初めて開催した。市は理念と実績を評価し、異文化交流を進める市事業として採用。今回、市内の大学を卒業した人を対象にした同窓会イベントの中核に位置づけ、規模を拡大して再現した。

 カーンさんの発想を安部さんが実務で支える。2人は「よい組み合わせ」と口をそろえる。大勢が来場した会場で「周囲のサポートが私たちのアイデアを大きくしてくれた。頭の中のイメージを200%実現できた」と喜び合った。

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