名農高、水研究で5度目の国際大会へ 節水栽培システム開発で日本大会GP

世界の水問題解決につなげようとミスト栽培に取り組み、国際大会出場を決めたメンバー

 青森県立名久井農業高(小笠原理高校長)環境システム科2、3年生有志10人によるミスト栽培研究チームが、「日本ストックホルム青少年水大賞」でグランプリに輝き、8月にスウェーデンで行われる国際大会に日本代表として出場する。メンバーは同校5度目の快挙を喜び、世界の水問題解決の一助となることを願い栽培に取り組んでいる。

 日本大会は日本水大賞委員会、国土交通省が主催。水環境における生態系の改善や生活の質向上などに関する、高校生らの理論的な活動を対象としている。

 国際大会「ストックホルム青少年水大賞」は、水のノーベル賞と称されるストックホルム水大賞のジュニア版。同校は過去に最高賞を獲得、世界一となった。

 今回受賞した活動は「水を有効利用する節水型ミスト栽培システムの開発」。数リットルの水から超音波で装置内に霧を発生させ、植物が吸収しなかった水分を循環させる。水耕栽培と比較して大幅に節水でき、排水も低減させた。

 昨年11月、東京で日本語と英語による決勝プレゼンテーションが行われ、応募総数14件の中から頂点を勝ち取った。

 4月2日は、インゲン、レタス、スイスチャードの苗を20台に植え付け、本年度の栽培を開始。ミストの発生時間などをコントロールし、作物にどのような影響が出るか記録を重ねる。これまで以上に研究精度も上げていく構えだ。

 国際大会には、赤石紫音さん(17)と白鳥滉弥さん(17)=共に3年=が出席する。赤石さんは「(資源が限定的な)発展途上国でも野菜を育てられる方法確立を目指したい」と意欲。白鳥さんは「生育調査を丁寧に行いたい。発表に向けて英語の勉強も力を入れる」と活躍を誓った。【全文】

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