子育て支援センター「にこっと」 長崎市内で唯一、発達気になる子と親の支援特化 県内外から注目

子どもたちが買い物を楽しんだお店屋さんごっこ。子ども発達サポートひろば「にこっと」では、季節の行事やイベントも充実=長崎市内

 乳幼児と保護者が交流し、気軽に育児相談ができる子育て支援センター。長崎市内18カ所の中でただ一つ、発達が気になる子どもと保護者の支援に特化した「子ども発達サポートひろば『にこっと』」(長崎市三芳町)がある。2021年4月の開設から3年が経過。全国的にも先進的な取り組みは需要が高く、県内外から視察が相次いでいる。8日まで発達障害啓発週間。
 「にこっと」は市の補助を受け非営利団体「チャレンジスマイル」が運営している。課題は認知度。利用者らの声を基に24年度から親しみやすい名称に変えた。同時に就学後まで途切れのない支援をするため、利用対象年齢の上限を従来の就学前から、おおむね小学2年までに引き上げた。
 利用者の大半は、発達障害と診断されておらず、療育もこれからというスタート段階。さまざまな気がかりや特性=表上=がある親子が通う。事業内容は▽親子の遊び場▽保護者同士の交流▽発達に関する勉強会の開催▽個別相談▽専門機関との連携-など。心身発達の基礎は「子どもたちが思いきり体を動かして遊ぶこと」という考えに基づき、室内は楽しみながら基礎感覚運動を促す大型の遊具があり、静かに遊べるスペースとに分かれている。
 スタッフは幼稚園や小学校の教諭、保育士、助産師など専門の知識を持ち、利用者をチームでサポート。運動機能が未熟な場合は運動療法が受けられる整形外来につないだり、就学相談では通級指導や特別支援学級などふさわしい学び方を一緒に考えたりと、細やかに対応できる。利用年齢引き上げにより、さらに長期の支援も可能になった。
 「気軽に来られる、発達支援の入り口みたいな場所」と話すセンター長の岡本恵子さん(46)は、支援を必要とする親子を早期に発見し支援につなげることの重要性を訴える。子の年齢別の利用者数=表下=を見ると、1歳半健診で助言されるなど発達の違いが見えやすい2歳からの利用開始が突出し、0歳児に関する相談も増えている。
 健診などで「発達がゆっくりですね。様子を見ましょう」と言われた場合、そのまま次回を待つのは「非常にもったいない。成長著しい乳幼児期の半年~1年は適切な支援を受けることでぐっと発達が変わる」と力を込める。
 「にこっと」の利用は月~土曜午前10時~午後4時。長崎市民に限らず近郊の人も利用できる。無料だが、実費のイベントもある。電話での事前予約が必要。「にこっと」(電095.842.0116)。

「にこっと」を利用する子どもの特性
2023年度年齢別利用者数

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