長崎大経済学部で「川原慶賀展」 修復の「長崎出島之図」公開 6月2日まで 資料10点を紹介

修復作業を終え、公開された「長崎出島之図」=長崎市、長崎大付属図書館経済学部分館

 長崎市片淵4丁目の長崎大付属図書館経済学部分館で4日、江戸時代の出島オランダ商館医シーボルトのお抱え絵師、川原慶賀の関連資料10点を紹介する「川原慶賀展」が始まった。6月2日まで。入場無料。
 展示の目玉は、1977年以来約半世紀ぶりに修復した同分館所蔵の「長崎出島之図」。1820~30年ごろの出島の全景を立体的に描いたとされる。商館長が暮らしたカピタン部屋の三角階段などが克明に描かれ、長崎市が進める出島復元整備事業の参考史料にもなっている。
 絵は劣化による傷みや変色などが進んでいたため、昨年11月に専門業者に修復を依頼。今年3月に修復作業を終えた。会場では修復前のレプリカも飾り、修復後の絵と見比べることができる。慶賀が描いた植物や肖像画の木版本なども展示している。
 同分館の担当者は「本来の華やかさがよみがえった。原本を公開する貴重な機会なので、多くの人に見てもらいたい」と話した。
 来館者にはスタッフ手作りの「出島之図」フォトカードを贈る。展示時間は平日が午前9時~午後9時、土日祝日は正午~午後5時半。5月3~6日休館。問い合わせは同分館(電095.820.6309)。

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