家具職人を志すスウェーデンの大学生9人が4日、人間国宝の木工芸作家、須田賢司さん(69)=群馬県甘楽町小幡=の工房を訪れ、日本の伝統工芸を学んだ。くぎを使わずに木を組む「指(さし)物(もの)」と呼ばれる技法について説明を受け、木目の美しさと精緻な加工が際立つ木工芸の世界に触れた。
訪れたのは、リンショーピン大のマルムステン家具研究科に通う学生たち。教員と須田さんに親交があり、来訪が実現した。
須田さんは小型のたんすや木箱といった作品を紹介しながら、100分の1ミリ単位の加工精度を追求していることを紹介。「職人は人と違う独自性がないとやっていけない。技術とともに美的センスを磨いてほしい」とエールを送った。
家具工房を立ち上げることが夢だというマティアス・リアルストラムさん(34)は「スウェーデンでは機械生産がほとんどなので、手作業で素晴らしい作品を作っていて興味深かった」と感心していた。
須田さんは東京都出身で、1992年に甘楽町に移住した。創作の傍ら、2018年に自宅敷地内にギャラリーを開設し、木工芸の魅力を伝えている。