漫画で触れる「土門拳」の生涯 酒田市が企画、市内の小中学校に配布

土門拳の生涯を描いた漫画本の表紙

 昭和を代表する写真家の土門拳(酒田市出身、1909~90年)の生涯を描いた漫画本「リアリズム写真の巨匠 鬼の眼 土門拳」が完成した。同市が企画し、市内の小中学校などに配布されるほか、土門拳記念館ミュージアムショップで5日から販売を開始する。

 2023年度に開館40周年を迎えた同館の記念事業で、酒田市の名誉市民第1号となった土門の偉業を地元の子どもたちにも知ってもらおうと市が企画した。市はB&G財団の「ふるさとゆかりの偉人マンガの製作と活用事業」を活用して300万円の助成を受け、事業費に充てた。

 市の委託を受けたさかた文化財団や土門拳の弟子、市教育委員会などで構成する「製作活用検討委員会」(委員長・村上幸太郎同財団理事長)が制作に当たった。鶴岡市史編さん委員で同検討委を務めた阿部博行さんの著作「土門拳 生涯とその時代」を話の基とし、土門拳の生涯を年譜付きで紹介している。山形市在住の漫画家・高橋美緒さんが作画を担当した。

 B6判で123ページ。2千部を制作した。酒田市内の小中学校、各地区のコミュニティセンターに配布する。同館のホームページで無料公開し、ミュージアムショップやオンラインショップでは千円で販売する。問い合わせは同館0234(31)0028。

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