卓球Tリーグに初参戦した静岡ジェードの森薗政崇監督兼選手が1年目を総括「たくさんの地域の方に支えられた」

静岡市のオクシズ地域を拠点に、今シーズンから卓球のプロリーグTリーグに参入した静岡ジェード。チームの初代監督に就任し、Tリーグ史上初の監督兼選手を務めた森薗政崇さんをゲストに招き、話を聞きました。

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森薗さんは東京都出身の28歳。2017年の世界選手権で男子ダブルスで銀メダルを獲得。日本を代表する卓球選手の1人です。

昨シーズンまでは同じTリーグの岡山でプレーしていました。今シーズンから静岡ジェードでの挑戦を選んだのにはどんな思いがあったのでしょう。

<森薗さん>
「やっぱりゼロからイチをつくりたいと思っていました。これまで通りのことをするのではなく、自分たちで作り上げることをやりたかった。オファーがあった時、すぐに静岡に来ることを決めました。不安?なかったですね。僕一人でチームを運営するのではなく、たくさんの人に支えられているので」

7月にはみなスポのスタッフがご自宅にお邪魔しました。

<森薗さん>
「静岡は最高ですね。最初に思ったのはカツオとマグロがおいしいこと。自炊もしています。母親が調理師で、自分はコックになることが夢だったので、小さい頃から調理を続けています」

Tリーグでは拠点となる地域に移住しない選手も多いですが、森薗さんはどうして移住を決めたのでしょう。

<森薗さん>
「本当の意味での『おらがまちのチーム』にしたかったんです。その土地に住んでいないのに、地域の賛同は得られないという思いが強くありました。この地域に来て、地域の方々と交流して、みんなに支えてもらえるチームにしたいと思っていました。

静岡の卓球熱は高いですね。静岡出身の選手が五輪で金メダルを取ったこともあって、卓球人口も多い。この熱に僕たちがブーストを掛けられるように頑張っていきたいと思います」

静岡ジェードはシーズン開幕前に様々な活動を行い、地域との交流を図ってきました。8月の静岡ジェードとしての開幕戦はチケットはほぼ完売。会場にはおよそ1000人のファンが駆けつけました。

<森薗さん>
「選手にとってはたくさんの人に見てもらえることが一番なので、幸せな会場で試合をさせてもらいました。街で会う人たちが会場で声援を送ってくれて、すごく居心地がよく、気持ちが良かったですね」

ホーム開幕戦を勝利で飾ることはできませんでしたが、チームとしての歴史的なスタートを切りました。その後、静岡ジェードは大奮闘。開幕から4戦目でリーグ戦初勝利を挙げると、第6戦では過去3度のリーグ優勝を誇る強豪・木下マイスターにストレートで勝利するなど快進撃を見せました。監督兼選手としてチームを牽引した森薗さんは、前半戦のリーグMVPを獲得しました。

<森薗さん>
「僕1人で取れた賞ではないです。たくさんの人に支えてもらって、取らせてもらった賞だと思っています。本当に静岡ジェードでこの賞が取れて嬉しいです」

後半戦もプレーオフ進出を目指して戦い続けましたが、あと一歩及ばす。Tリーグ参入初年度の今シーズンは4位でした。

<森薗さん>
「今シーズンの最初に立てた目標『プレーオフ進出』は達成できず、悔しいです。ただ、選手もサポーターも運営も、全員が一丸となって120パーセント出し切った結果なので、すごく満足しています。充実した1年でした。

静岡ジェードというチームを構築する時、選手選びの段階で僕が一番重視したのは、みんなに支えてもらえる選手であること。シーズン中は苦しいこともたくさんありましたが、多くの方々に支えてもらっていたので最後まで走り抜くことができました」

ダブルスでは、森薗監督兼選手と龍崎選手のペアはリーグ最多の11勝で、Tリーグベストペア賞を獲得しました。今後はどのようなチームを作り上げていくのでしょう。

<森薗さん>
「静岡ジェードというカラーがすごく出た1年になりました。このカラーを来年以降も続けていきたい。もっともっと多くの人を巻き込んで、シーズンを楽しみ尽くせるようにやっていきたいですね」

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