冨安健洋の途中出場で「日本人対決」が実現! 橋岡大樹はオウンゴール献上で現地メディアの採点は最低点に…「厳しい夜となった」

現地時間4月4日に行なわれたプレミアリーグ第31節アーセナル対ルートン・タウンは2-0で前者が制し、暫定ながら首位に浮上している。

本拠地エミレーツでの一戦、「ガンナーズ」は24分にエミール・スミス・ロウのボール奪取からカイ・ハバーツ、マルティン・ウーデゴーのパスワークで相手守備陣を翻弄して先制ゴールを奪う。前半終了間際にもスミス・ロウが左サイドを突破してクロスを入れると、これに合わせようとしたリース・ネルソンをマークしていた橋岡大樹が、流れてきたボールに触れて自陣ゴールに押し込んでしまい、ホームチームはオウンゴールという形で2点目を挙げ、最後までこのリードを守り切った。

橋岡は悪夢の大逆転負けを喫した17節ボーンマス戦(3-4)以来となる加入2試合目の先発出場となったが、今回も1失点目では相手のパスワークに振り回されてウーデゴーのシュートを阻止できず、2失点目では前述の通り、自ら自陣ゴールのネットを揺らしてしまうという苦い思いを味わう羽目となった。
試合終了間際には自ら強烈なシュートを放つもゴールには至らなかった日本代表DFについて、英国公共放送「BBC」は「日本のDF橋岡は44分、スミス・ロウがペナルティーエリア内で広いスペースを与えられた後、ネルソンを止めようとした際に誤って自チームのGKトマ・カミンスキーを抜き去ってしまった」と、オウンゴールの場面を伝えている。

日刊紙『The Guardian』は、「橋岡は、前半終了間際にさらなる苦しみを味わうこととなった。(中略)スミス・ロウのクロスはネルソンにとって強すぎたが、彼を追走していた橋岡が、残念ながら(ネルソンの代わりに)ゴールを決めてしまった」と、背番号27の受難のプレーを振り返った。

ルートンの地元紙『Luton Today』は、「ハーフタイム直前に橋岡が不運なオウンゴールを決め、アウェーチームに登るべき山を与えた」と記述。一方、アメリカのスポーツ専門サイト『The Athletic』は、2点のリードを許した後に「オウンゴール後、橋岡自身も激怒しており、ルートンにとっては本当に長い夜になりそうだ」と綴っている。『Daily Mail』紙は10点満点の採点でチーム最低タイの「5.5」を橋岡に与えたが、サッカー専門サイト『90min』はそれを下回る「5」とし、「オウンゴールを決めてしまうのを防ぐために、彼にはもう少しできることがあっただろう」と指摘した。

しかし、それよりさらに厳しかったのがスポーツ専門サイト『VAVEL』の英国版で、単独最低の「3」……。寸評も「日本代表選手は、ルートンを試合に慣れさせるのに役立ったが、ウーデゴーのゴール後、チームは苦しい状況に立たされた。さらにオウンゴールでアーセナルを優位な状況に導いてしまうなど、DFにとっては厳しい夜になった」とネガティブな内容となっている。
さてこの試合、アーセナルでは前節でふくらはぎの負傷から復帰した冨安健洋が、今回も終盤(74分)に左SBオレクサンドル・ジンチェンコとの交代でピッチに登場しており、短時間ながら日本人対決が実現。守備ではいつも通りの堅実さを見せた他、攻撃参加でペナルティーエリア外から、ゴール右隅を狙った右足でのカーブシュートを放ったが、わずかに枠を外れた。

現地メディアからは、「試合に影響を与えるには、出場が遅すぎた」との理由でプレーに関する言及は少なかったが、採点では「6」の及第点を与えるところが多く、また『VAVEL』は「より多くの出場時間を得始めており、これはガンナーズにとって大きな助けとなっている」と、復帰自体をポジティブに捉えている。

構成●THE DIGEST編集部

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