ばいばい!“スーパーやくも” 復刻カラー・紫色やくも車両が最終運行 鳥取・米子で見送り

米子駅に到着した「スーパーやくも色」車両=米子市弥生町

 JR西日本の特急やくも新型車両導入を前に5日、紫色に塗装された381系「スーパーやくも色車両」の引退イベントがあった。米子駅で乗客に記念品が配られたほか、隣接する後藤総合車両所扇形車庫で見学ツアーがあり、鉄道ファンが別れを惜しんだ。

 スーパーやくも色車両の元になったスーパーやくも号は1994年に導入され、2006年に引退。歴代デザイン4種のリバイバル企画の一環で、23年2月から期間限定で走っていた。パノラマ型グリーン車の運行もこの日が最後となった。

 6両満席のスーパーやくも色の5号は、午前11時26分に米子駅に到着。約140人が下車し、ホームは撮影する愛好家でごった返した。改札前では、スーパーやくも仕様の非売品ティッシュボックスカバーが乗客に配られた。

 抽選で選ばれた人を対象にした見学ツアーでは、約30人が車両の検査や修繕を行う扇形車庫を見学した。JR木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」で使われたDE10型ディーゼル機関車が、転車台で方向転換し車庫に格納される様子が公開され、参加者が写真撮影した。

 やくも5号に乗った広島市の小学4年生(9)は「スーパーやくも色の運行最終日に乗ることができた。色や形のデザインがかっこよかったので寂しい」と惜しんだ。6日の新型車両の始発に乗る岡山県倉敷市の会社員男性(33)は「一つの時代の区切り。お疲れさまと伝えたい」と感慨にふけった。

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