能登産買って応援 近江町の商品券に900人行列 3000セット完売

商品券を求めて長蛇の列をつくる人=5日午前8時15分、金沢市の近江町いちば館広場

 金沢市の近江町市場商店街振興組合は5日、1万円で1万4千円分の買い物ができる「おみちょお買い物応援商品券」3千セットを発売した。販売窓口が設けられた近江町いちば館広場には早朝から列ができ、一時約900人が並び、早々に完売した。購入した人は早速、市場内で能登産の魚介類や野菜などを買い求め、地元のにぎわい回復を願った。

 商品券は500円券28枚つづりが1セットで、先着順に1人3セットまで購入できる。いちば館広場には午前6時前に購入希望者が並び始め、同8時過ぎには武蔵町の地下道を通って安江町まで列が伸びた。希望者が多かったため、午前8時半を予定していた販売開始時間を15分繰り上げた。

 3セットを購入した金沢市尾張町1丁目の主婦毛利駒江さん(84)は「魚や花などたくさん買いたい。能登産のものも購入して、少しでも被災した能登への支援につながればうれしい」と話した。

 近江町市場商店街振興組合によると、市場では能登半島地震の影響で観光客が激減。3月以降、徐々に客足は回復してきたが、地震前のにぎわいには戻っていないという。担当者は「商品券をきっかけに地元の人にもっと足を運んでほしい。能登の食材を買ってみんなで被災地を応援できればいい」と期待した。

 商品券は6日も午前8時半から5千セットが販売される。市場内の約170店舗で8月31日まで利用できる。

 金沢市によると、プレミアム率40%分を市が全額負担する補助事業を活用し、市内39商店街が商品券の販売を予定している。

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