AI導入で人員減、大企業の41%が予想=アデコ調査

John Revill

[チューリッヒ 5日 ロイター] - 人材派遣会社アデコ・グループは5日、人工知能(AI)の導入により、今後5年で多くの企業で従業員が減るとの調査結果をまとめた。

調査は世界の大企業2000社を対象に実施。経営幹部の41%がAI技術により従業員数が減ると予想した。

大半の経営幹部はAIが大変革をもたらすと考えているが、導入が十分に進んでいないとの回答が大多数を占めた。

アデコのデニス・マシュエル最高経営責任者(CEO)はロイターに「ほぼ全ての仕事が何らかの形でAIの影響を受けるだろう。AIは雇用を奪うものにもなり得るし、雇用を生み出すものにもなり得る」と指摘。

「10年前には、デジタルによって多くの雇用が破壊されるとの懸念が広がったが、実際にはデジタルの世界で多くの雇用が創出されている。AIによる雇用の破壊と創出の間でバランスが取れると考えている」と述べた。

また、企業は外部からのスペシャリストの採用に頼るのではなく、従業員を訓練してAIと協働できる体制を整えることで大変革に備えるべきだとも語った。

今回の調査は米国、英国、フランス、ドイツ、日本、スペイン、カナダ、オーストラリア、シンガポールの防衛、製薬、ヘルスケア、工業、物流分野の企業を対象に実施した。

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