マンションやホテルが入ることも想定 鳥取駅周辺に複合施設 有識者会議が基本計画案 にぎわい創出図る

再整備される鳥取駅北口

 行政や経済界関係者、有識者らでつくる鳥取駅周辺リ・デザイン会議(座長・谷本圭志鳥取大大学院教授、20人)が27日、駅周辺を再整備する基本計画案をまとめた。官民が連携し、商業施設や文化施設を核とした複合施設を設け、にぎわいを創出する。4月22日から5月13日まで市民に意見を募り、今後は2年程度かけて、事業費や整備手法を盛り込んだ整備計画を策定する。 

 基本計画案は、駅北側を中心に再整備。複合施設はマンションやホテルが入ることも想定する。駅前の県道をまたぐ形で、複合施設と商店街をつなぐ歩行者デッキを設け、人と車の動線を分けて利便性や街中への回遊性を高める。

 交通ターミナルを駅の南側と北側に整備し、高架下道路で南北を接続し交通の流動性を高める。

 市内で開かれた会議で深沢義彦市長は「鳥取に住んで良かったと、次世代に思ってもらうための大きな取り組みになる。市民の合意形成を図りながら、関係機関と連携して再整備を進めていきたい」と述べた。

 鳥取駅は1908年に開業。70~80年代に鉄道の高架化と合わせて土地区画整理事業が実施され、バスターミナルや広場が整備された。山陰最大のターミナル駅で、鉄道の乗車人員は年間152万人(2022年度)、バス利用者は同296万人(同)に上る。

 バスターミナルなど既存施設は老朽化が進む。高速バスや路線バスが集中し、周辺道路が混雑する事態も起きている。周辺の商店街は空き店舗が目立ち、駅周辺の再整備が急務となっている。

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