リボン寄付で子どもに食事 柿木畠の中華料理「全開口笑」

来店客が購入したリボンを手に取る竹内さん=柿木畠

  ●県内初

 金沢市柿木畠の中華料理店「全開口笑(ぜんかいこうしょう)」は5日までに、食事に困っている子どもを支援する「フードリボンプロジェクト」の取り組みに県内で初めて乗りだした。来店客が1個300円のリボンを購入する形で寄付を行い、店側が中学生以下に1品を無料で提供する仕組み。能登半島地震や物価高の影響で生活に苦しむ家庭もある中、子どもたちが気軽に胃袋を満たせる場所を提供する。

 フードリボンプロジェクトは、一般社団法人「ロングスプーン協会」(千葉県市川市)が活動母体となり、3月の時点で全国166店が参加している。客が購入したリボンは店内のボードに掲示され、その後に来店した子どもがリボンを手に取って店員に見せれば、メニューを無料で食べることができる。

 リボンで提供を受けられるメニューはラーメンや天津飯、オムライスなどで、時間は午前11時半~午後2時。取り組みの趣旨に賛同する大人は多く、3月の取り組み開始以降、既に160人以上がリボンを購入した。

 プロジェクトへの参加は店主の竹内公明さん(63)が決めた。子どものころ、同じように中華料理店を営んでいた両親が店の切り盛りに忙しく、妹と2人きりで食事することが多かったという竹内さん。当時は寂しかったといい、「同じような思いを子どもにさせたくなかった」と話す。

 竹内さんは、大人の寄付に比べて子どもたちの利用が少ないとし、「当たり前のように子どもが立ち寄れる雰囲気の店にしたい。同様の活動に取り組む店が増えてほしい」と語った。

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