佐伯市本匠の俳句文化「復活させたい」 地元中学校卒業の3人が句集づくり【大分県】

本匠俳句集をつくった本匠中の卒業生たち。左から高橋さん、田中市長、伊藤さん、柴田さん=佐伯市役所

 【佐伯】佐伯市本匠の本匠中を今春巣立った伊藤向日葵(ひなた)さん、柴田茉臣(まお)さん、高橋葉月さんの3人が俳句集「本匠」(102ページ・非売品)をつくった。同校初の取り組みで「きれいにできた。ぜひ読んでほしい」と話している。

 3人は昨夏、郷土本匠広報大使として山形市を訪問し、地元中学生との俳句交流に臨み、秋には俳句の授業にも挑戦した。学びを続けるうち、90年ほど前まで本匠では俳句が盛んに詠まれ、句集も出ていたことを知り「復活させたい」と取り組んだ。

 自ら句を詠むとともに昨年末、同校の生徒、本匠小の児童、両校の教職員、保護者らに投稿を依頼。2月上旬には市議会の「未来議会」の中で、田中利明市長ら市関係者、吉良栄三議長ら市議にも協力を願い、約90作品が集まった。

 卒業式までの1カ月は句集づくりに明け暮れた。作品一つ一つに柴田さんが絵を描き、先生に手伝ってもらいながら伊藤さん、高橋さんが色塗りを続けた。苦労しながらもやり遂げた。

 3人は3月下旬、出来上がったばかりの句集を手に、詠んでくれた田中市長に完成を報告。田中市長は「手作りで温かみがある。これからも俳句を詠み続けてほしい」とねぎらった。

 俳句集「本匠」は同校などで見ることができるようにする。3人は「作業はきつかったけれど、いい句集ができたと思います」と笑みを浮かべ、「後輩が第2弾をつくる予定。頑張って自分たちを超えてほしい」と話した。

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