SAKU美SAKU楽で来津 観光通じて地方路線に目を向けて 充実した時間に/岡山・津山市

兵庫県神戸市のカウンセリング、企画会社・流麗株式会社が主催するローカル線と地方の魅力を発見するツアーが5日、岡山市の岡山駅を出発点に開かれ、大阪府、兵庫県の鉄道ファンや視察を兼ねた岡山県職員ら20人が観光列車・SAKU美SAKU楽(さくびさくら)で来津し、充実した時間を過ごした。

企画したのは、流麗まちゅみの名前で地域の課題解決に向けて活動する明石市の吉田真澄さん(47)。36歳の時にがんを発症し、胃の摘出手術をしたことをきっかけに同じ境遇の人や障害者たちのサポート、社会貢献を目的に会社を立ち上げ、各企業と連携して取り組んでいる。

今回のツアーを企画した吉田さんと息子の秀一君

赤字路線存廃問題が浮上する中、鉄道好きの吉田さんは、観光を通して多くの人に地方の路線の在り方や利活用について目を向けてもらおうと初めて開催。JR西日本の子会社・日本旅行岡山支店が協力した。

この日は、ネットの動画サイト・YouTube(ユーチューブ)で鉄道模型や観光情報を発信するHIDEKYU(ひできゅう)さんをはじめ、D51形蒸気機関車の保存活動や義足の開発に携わるといったさまざまな人たちが津山まなびの鉄道館や桜が見ごろを迎えた津山城(鶴山公園)を訪れた。

桜が満開の津山城を観光するツアー客

岡山県内への企業、観光誘致を図る関西圏行政情報発信専門員・森田裕子さん(52)=岡山県大阪事務所=は「大阪では見られない駅舎や景色など地方ならでは鉄道旅の良さが見えてきた。関西地方の方にまだ知られていない津山市の魅力をPRしていき、観光振興だけでなく、各路線の利用促進につなげていきたい」と話した。

5回目の来津となる吉田さんは「山陽と山陰を結ぶ交通の要所となっている津山。歴史が深くて興味深いスポットがたくさんある。地元の人たちも地域を見つめて良さを発見し、積極的に外に発信していくことで、多くの人が訪れ、沿線や町がにぎわうのではないかと思っている」と語る。今後も津山を訪れるツアーを開催したいとしている。

津山まなびの鉄道館で記念撮影を行うツアー客

© 津山朝日新聞社