【早出し】山形美術館で「高橋龍太郎コレクション」開幕 現代アート75点紹介

数々の現代アートが並ぶ展覧会=山形市・山形美術館

 山形美術館(山形市)開館60周年記念展「カンヴァスの同伴者たち 高橋龍太郎コレクション」が5日、同館で開幕した。鶴岡市生まれの高橋龍太郎さん(77)=東京都=が集めた作家46人による現代アート75点を展示。社会のリアルな動きや人の営みに起因する表現を突き詰め、時代の空気を感じる作品を7章構成で紹介している。

 高橋さんは日本を代表する現代美術コレクター。有名美術家に加え、若い作家の現代社会を象徴する作品も収集し、コレクションは3千点を超える。2020年度に文化庁長官表彰を受けた。「カンヴァスの同伴者たち」では収集を本格的に始めるきっかけとなった草間弥生さんの作品をはじめ、奈良美智さんの初期のドローイング、池田学さんの緻密なペン画、李禹煥(リーウーファン)さんの点で表現したアートを展示している。東北芸術工科大で学んだ近藤亜樹さん(県内在住)、金子富之さん(上山市)、土井沙織さん(山形市)らの絵画もある。

 開展式で、主催者を代表し同美術館代表理事の寒河江浩二山形新聞会長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)が「多様な視点で鑑賞できる構成となった。現代美術の楽しさや豊かさを感じる絶好の機会だ」とあいさつした。高橋さんは「アートは、現代を生き続ける人間の遊び心の結晶物。皆さんも同伴者となってアーティストの世界を共有してほしい」と語った。佐藤孝弘山形市長が祝辞を述べ、大泉定幸県観光文化スポーツ部長が吉村美栄子知事のメッセージを代読した。寒河江会長、佐藤秀之山形新聞社長、板垣正義山形放送社長、高橋さん、佐藤市長、大泉部長、杉沢栄一県生涯学習文化財団専務理事、菅野滋山形美術館長がテープカットした。

 展示は5月26日まで。展示室内は撮影可能だが、動画やフラッシュ、三脚、記念撮影は不可。主催は山形新聞、山形放送、山形美術館。共催は県と県生涯学習文化財団。

開展式でテープカットする高橋龍太郎さん(左から4人目)と関係者=山形市・山形美術館

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