まもなく木次線に「あめつち」乗り入れ開始 沿線住民の歓迎準備万端

去年秋に運行を終えた観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」に代わり、この春から島根県東部の山間を走るJR木次線に乗り入れるのが「あめつち」です。
4日後の運行開始を前に乗客を迎える準備が沿線各地で進んでいます。

「やあやあやあ、八代だよ。」
去年11月23日、奥出雲おろち号の運行最終日。仁多郡奥出雲町の出雲八代駅では列車が停まる1分程の時間に地域の小学生たちがおろち号のかぶり物で踊り、乗客たちを歓迎しました。
2021年に地区の住民たちがおろち号に向けて手を振る活動を始め、駅でのお出迎えに発展しました。

布勢公民館・山田伸二館長
「4月7日のあめつち最初の日に、いつものように出雲八代駅の駅舎に飾って。子どもたちと一緒にお出迎えをしたいと。」

あめつちに列車は代わりますが、何らかのおもてなしを続けることで、この場所を乗客たちに印象付けようと、この日、歓迎のメッセージボードを作ることになりました。
この春、中学校に上がり活動から引退する6年生を中心にあめつちのイラストを描きます。

児童
「こんな感じ?ん?うん、良いんじゃない。 」
可愛いキャラクターも描かれます。
児童
「みんなが、おおちゃん、おおちゃんって。」

オオサンショウウオがモチーフの地元の小学校のキャラクターです。
豊かな自然を表しています。

児童
「お客さんに楽しんで見てもらえるように描きました。トロッコ列車のように人気になって欲しいです。頑張って走って欲しいなという気持ちで描きました」。

布勢公民館・山田伸二館長
「せっかく(地域を)走ってくれるので、それを使わない手はないでしょうし、それで子どもたちも布勢(故郷)を大好きになってくれれば。」

ただ、おろち号の時はほぼ各駅に停まるダイヤだったので、停車中に歌や踊りを披露出来ましたが「あめつち」は快速列車。この日の試運転でも出雲八代駅は通過です。
それでも乗客に印象が残るようなお出迎えの方法を、今後、考えて行くことになります。

一方、その試運転列車の車内では。

観光ガイド山根陽子さん
「本日は観光列車あめつちにご乗車頂きまして、まことに有難うございます。」

沿線から募集された地元ガイドが本番前、最初にして最後のあめつち車内での実地練習中でした。
これまでも通常の列車を使い、どこに来たら話し始めるかといった流れを確認するなどして来てこれが集大成です。

観光ガイド・宇田川一徳さん
「地元の皆さんの期待を乗せて、そして全国からの皆さんが沢山ご乗車頂けますように、私たち地元ガイドといたしましても一生懸命務めたいと思います。」

観光ガイド・南波由美子さん
「こちらのガイドは宍道駅で降車致します。あめつちは宍道駅から山陰本線を(米子駅まで)運行致します。」

列車は山陰線と合流する宍道駅に到着。ガイドの練習もここまでです。

観光ガイド・山根陽子さん
「アナウンス、交代、交代でやったんですけど、それぞれの個性を織り交ぜながら、いろんな情報交換もできたので、是非そういったものを(本番でも)織り交ぜて行きたいなと。」

観光ガイド・宇田川一徳さん
「スイッチバックっていうのは木次線のね、一番の財産ですね。あめつちで乗って行かれても、次、スイッチバック乗るためには後の列車に乗るってなことになりますので、そこの辺またね、これから関係の皆さんに考えて頂いてスイッチバックへ連絡して行くコースを作って欲しい。」

『銀河鉄道999』のコスプレは木次線出雲大東駅の委託駅長でもある南波由美子さん。

観光ガイド・南波由美子さん
「(出雲)大東駅にあめつちが、もう展示されてるんですよ。なので、実際あめつちは停車して乗降は出来ないんですけど。当日通過するっていうことで、身近な存在になって、また乗って頂くような機会につながったら良いかな。」

「そこら辺に、そこら辺に。ここら辺? うん。」

雲南市の出雲大東駅。
木次線の装飾があふれる駅待合室には、あめつちのアートが加わり、この日、ガイドたちの写真を貼り付けて仕上げました。

「パチパチパチパチ。できました。」

観光ガイド 南波由美子さん
「これでもう4月7日の運行を、後は待つのみですかね。乗り降りは出来ないけれども(出雲大東駅に)停まる時間があるので、その間にホームに出て、旗でお見送りしたりとかできたら良いなと。」

新たな列車を迎える新たなおもてなしが、今、各地で準備万端、主役の登場を待ち構えています。

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