見知らぬ土地だったけど…地域への愛着高じ定住へ 「地域おこし協力隊員」定住率68% 鹿児島県内の直近5年 人との絆が後押し

〈資料写真〉作成した錦江町マップをPRする地域おこし協力隊員の友安麻里亜さん=錦江町の地域活性化センター神川

 過疎地などに移住して活性化に取り組む「地域おこし協力隊」は、2023年度の隊員数が前年度より753人増え、過去最多の7200人だった。任期を終えた隊員の64.9%は赴任先か周辺に定住し、人口減少の抑制に貢献している。総務省が5日発表した。

 同省のまとめによると、鹿児島県内で2023年度に活動した地域おこし協力隊員は162人。九州では熊本(302人)、宮崎(204人)に次いで3番目に多かった。姶良、垂水、奄美の3市を除く40市町村で観光PRや特産品開発などに取り組んでいる。

 県地域政策課によると、23年12月末時点で活動している隊員(143人)の着任時の年齢構成は20代以下と30代がそれぞれ36%、30%を占め、60代以上も6%いる。男女比は男性52%、女性48%だった。

 23年度末までに任期を終えた305人のうち、赴任先や近隣自治体に定住したのは191人で62.6%。直近5年の定住率は68.1%と上昇している。県は22年度から県内5ブロックごとに隊員同士の交流会を開いており、同課の溝口俊徳課長は「横のつながりを深めることで地域への愛着がさらに強まる効果が出ているのでは」とみる。

 県から委託されている支援団体「地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島」の吉村佑太代表(40)は、日置市での隊員経験を踏まえ「定住するかどうかは、孤立感の有無が影響する。任期終了後の就職・起業支援の充実も重要で、積極的に地域や専門機関とつなげていきたい」と話す。

〈資料写真〉阿久根市地域おこし協力隊が主催し、大勢の市民が集まった阿久根おはよう市=阿久根市晴海町

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