「線路内に人が立ち入っている」付近住民が警察に通報 「特急やくも」新型車両デビューに水を差す…情報確認のため一時停車・遅延発生 人気の撮影スポット、JR怒り

6日、特急やくもの新型車両273系の運行が始まりました。
初便にあわせ出雲市駅や岡山駅では出発式が行われ、多くのファンが訪れるなど盛り上がりを見せる一方で、困った事態も発生していました。何者かが線路に立ち入った影響で、列車に遅れが発生してしまったのです。

6日、運行が始まった特急やくもの新型車両。初便の出発にあわせ、出雲市駅で出発式が、また、米子駅では記念セレモニーが行われました。

その一方で、困った事態も。

6日午前11時ごろ、鳥取県の根雨・武庫駅の間で「線路内に人が立ち入った」と付近の住民から警察に通報があり、警察経由でJRに情報提供がありました。

そのため、JRは該当区間で速度を落として走行し、運転士による安全確認を実施。この影響で、岡山駅で出発式を行った出雲市行きの初便であるやくも5号は、数分間、根雨駅に停車しました。

その後、特に異常がなかったため通常運転に戻ったということですが、特急やくも上下線1本ずつで、最大で15分から20分の遅れが発生しました。

立ち入りがあったとされる付近は、多くの鉄道ファンが訪れる撮影スポットだったということです。

新型やくも運行開始に際して、運行終了となる「やくも」や「リバイバルやくも」を写真に収めようと、かねてより山陰には多くの鉄道ファンが訪れていました。

そうした中、3月には信じられない写真がSNSに投稿され物議を醸しました。

1枚はホームに停車中の特急やくもの車両に足をかけ、試運転という文字を指さす男性が写っています。
反対の手にはカメラを持っていることが分かります。
もう1枚は、男性が車両の連結部分に乗り、ポーズを決めています。

3月5日の午後1時ごろ、鳥取県江府町にある江尾駅構内で撮影された写真です。特急やくもが走る伯備線沿線では、こうした迷惑行為が後を断ちません。

鳥取県日野町では3月、JRをはじめ沿線にある自治体の関係者や住民、警察が集まり、意見交換会を開催。沿線にある複数の木の伐採、路上駐車やポイ捨て、標識の破壊、そして線路内への侵入などの被害がこれまで確認されています。

こうした事態を受け、見回りの強化や注意看板の設置など対策が講じられてきましたが、問題行動は後を絶たないといいます。

JRによりますと、「列車に近づいたり線路内に入るのは危険な行為なので絶対にやめてほしい。安全第一で、マナーを守っていただきたい」ということです。

© 株式会社山陰放送