ハイカーも阻んだ「突然のゲート」設置 人気縦走路が2年ぶり開通 解決策は「立派な扉」 神戸、三木の丹生山系

ゲート脇に設置された扉を通るハイカー=神戸市北区山田町(神戸市提供)

 神戸市北区と三木市にまたがる丹生山系の縦走路で、通行止め区間が2年ぶりに開通した。オフロードバイクなどの進入を防ぐためゲートが設けられ、神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」にも「突然ゲートで道がふさがれてしまい、ハイカーが通行できずに困っている」との声が寄せられていた。今回、神戸市が土地所有者の了解を得て、新たにハイカーのみが通行できる扉を設置した。

 現場は北区山田町にある登山道で、市が指定する自然歩道「太陽と緑の道」の一つ。20年ほど前まで神戸電鉄が開催していた縦走大会のコースにもなっており、人気がある。市森林整備事務所によると、近年はオフロードのバイクや車の通行が増えて登山道が荒れ、ハイカーにも危険が及んでいた。

 そのため、土地を所有するゴルフ場「兵庫カンツリー倶楽部」が利用客の安全を確保するためにゲートを設置し、22年4月からは通行止めとなっていた。ゲートには連絡先を記載し、電話があった場合は開ける配慮をしていたものの、途中で引き返してしまうハイカーもいたという。

 そこで市は同倶楽部の了解を得て、ゲート脇の土壁を掘削して脇道を造成。フックを外して開ける小さな扉を設けた上で、バイクが通れないようポールも立てた。同事務所の担当者は「安全にコースを楽しめるようになったので、ハイカーの方々にぜひ使っていただきたい」と話す。

 登山中にゲートで立ち往生したことがあるという西区の男性(71)は「ハイカーにとっては便利だけどバイクは通れない。よく考えられた構造で、立派な扉を作ってもらった」と対応に感謝した。(井沢泰斗)

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 この記事は神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に寄せられた情報を基に取材しました。

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