大谷翔平の打棒復調のパロメーターは打球速度!? HR量産を地元紙が大胆予想! ド軍指揮官も“変化”を察知「彼がいかに特別な選手であるかは明らかだ」

量産態勢の狼煙となる一発になったかもしれない。

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平がシカゴ・カブス戦に「2番・指名打者」でスタメン出場し、5回の第3打席で2試合連続となる第2号2ラン本塁打を放った。チームは7対9で敗れたが、大谷は今季4度目のマルチ安打をマークし、打撃は上向き傾向にある。

まさに技ありの一発だった。相手先発カイル・ヘンドリクスの初球、チェンジアップをうまく捉えると打球は高く上がり、右翼ポール際に叩き込んだ。泳がされながらも右手一本で振り抜き、打球の行方を追った大谷。スタンドインを確認すると、ゆっくりとベースを回り歓声に応えた。

このアーチを目撃したロサンゼルス地元紙『The Orange County Register』のビル・プランケット記者は「3日(サンフランシスコ・ジャイアンツ戦)にドジャースでの初本塁打を放つことができたのは、オオタニにとって救いとなった。リグリー・フィールドで二塁打と本塁打を打ち、それを見事に証明してみせた」と絶賛。昨年、日本人打者として初めてメジャーのホームランキング(44本)に輝いた打棒復調に太鼓判を押している。

同記者は「打球速度だけで測るなら、(大谷は)明らかに調子が上向いている。彼がカブス戦で打ち返した5球のうち4球は、時速99マイル以上でバットを離れた」と指摘。第1打席の二塁打(106.1マイル=約170.7キロ)、第3打席の本塁打(105.2マイ=約169.3キロ)、4打席目の中直(99.2マイル=約159.6キロ)と第5打席の中飛(110.2マイル=約177.3キロ)をデータで列挙しながら、バットスイングの好調さを強調した。
さらに指揮官も、大谷のバッティングの変化を鋭く察知している。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は試合後、「オオタニは速球、変化球、(ストライク)ゾーンより下のボールをよく取っている。今はタイミング、彼のメカニズムを含めて、本当によくボールを見て野球をしていると思う」と状態の良さに注目した。

「序盤、オオタニはスイングとメカニクス、タイミングが合っていなかった。だが、彼がいかに特別な選手であるかは明らかだ。今日も本塁打、二塁打を打ち、スタンドには入らなかったが鋭い打球を見せた。これからもっと良くなり、打球もどんどん上がっていくと思うよ」

大谷はカブス戦の一発でMLB通算173本塁打を記録し、日本人歴代最多の本塁打記録を持つ松井秀喜氏(ニューヨーク・ヤンキースなど)の175本に、あと2本に迫った。今シーズン中に同氏の記録を塗り替え、トップに立つのはもはや時間の問題だろう。

開幕から自己ワーストの8試合ノーアーチと苦しんでいたが、会心の2戦連発で昨シーズンの勢いを取り戻しつつある大谷。その打棒に、ますます大きな期待が寄せられている。

構成●THE DIGEST編集部

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