西村氏、有権者にビラまき謝罪 自民裏金事件で地元明石入り 再起図る決意繰り返す

公園の来園者と握手する西村康稔氏=6日午後、明石市の兵庫県立明石公園

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、安倍派幹部として責任を問われ、党員資格停止1年の処分を受けた前経済産業相の西村康稔衆院議員(兵庫9区)が6日、地元兵庫県明石市の同県立明石公園を訪れ、有権者らにビラをまいて政治不信を招いたことを謝罪した。西村氏は「初心に戻ります」と再起を図る決意を繰り返し口にした。

 西村氏は安倍派の事務総長として資金還流の対応の協議に関わり、党が4日、党員資格停止の処分を決めた。今後1年間は選挙で党の公認が得られず、かつて自ら立候補した総裁選への立候補や投票の権利もなくなる。

 関係者によると、西村氏は処分翌日の5日に選挙区の9区(明石、洲本、南あわじ、淡路市)に入った。

 6日には、複数の事務所スタッフらと花見客でにぎわう明石公園を訪れ、来園者と握手を交わし、写真撮影に応じた。「また頑張って」「辛抱やで」と声をかけられると、西村氏は「1年間の謹慎ですが頑張ります」「また役に立てることがあれば、よろしくお願いします」と答えた。

 手渡すビラには「初心にかえり、再出発」の見出しが記され、「猛反省し、裸一貫で再出発する覚悟」などとつづられていた。取材には「今日はノーコメントです」と述べるにとどめた。

 事件を巡っては、2018~22年の政治資金収支報告書に500万円以上の不記載があったとして、兵庫県関係で安倍派の末松信介参院議員(兵庫選挙区)、関芳弘衆院議員(兵庫3区)、加田裕之参院議員(兵庫選挙区)も戒告の処分を受けた。(谷川直生)

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