立ち上る噴煙、避難住民の表情…桜島大正噴火時の記録がより鮮明に 所蔵の写真30点をカラー化、鹿児島県立博物館が企画展

カラー化された大正噴火時の写真=3日、鹿児島市の県立博物館

 大正噴火から110年を迎えた桜島の写真から防災について考えてもらおうと、鹿児島県立博物館(鹿児島市)で企画展「シン・サクラジマ」が開催されている。所蔵する当時の写真をカラー化した画像30点のほか、爆発記念碑の拓本や溶岩などを展示。6月2日まで。無料。

 同博物館は大正噴火に関する資料を保存するため、県立図書館に設置された委員会が始まり。所蔵する写真は271点、人工知能(AI)を用いてカラー化し、鹿児島大学の井村隆介准教授=地質学=が科学的に考証した。企画を担当した若松斉昭学芸主事は「避難した住民の表情などが鮮明に浮かび上がった」と説明した。

 会場を訪れた姶良市平松の波江野愛さん(17)は「爆発だけでなく、地震や津波も発生したことを初めて知った」と話した。4月28日と5月5、26両日は、担当者が解説する「ミュージアムトーク」がある。午後2時から各回約20分。申し込み不要。

鹿児島市街地側から見た噴火開始後の桜島=1914年1月12日、県立博物館所蔵の写真をカラー化
カラー化された大正噴火時の写真を見つめる来館者=3日、鹿児島市の県立博物館

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