夏は甲子園へ…鹿屋農、初の決勝で強豪・鹿児島実に1点差 100人以上の応援団、健闘に沸く 九州高校野球鹿児島県予選

3回裏2死、鹿屋農業の出塁に沸く応援スタンド=6日、鹿児島市の鴨池市民球場

 「夏は甲子園へ」-。6日、鹿児島市の鴨池市民球場であった九州地区高校野球大会鹿児島県予選決勝。初の決勝進出を果たした鹿屋農業は、優勝こそつかめなかったものの、強豪・鹿児島実業に1点差の接戦を演じた。「みんな輝いていた」。スタンドからは健闘した選手に大きな拍手が送られた。

 決勝は当初、5日にある日程で、鹿屋農業は全校応援する予定だった。天候不良で1日延び、またもやあいにくの雨だったが、三塁側スタンドには保護者や生徒ら100人以上が集まり、懸命に声援を送った。

 3年吉元翔皇投手は3回表に先制を許したものの、1失点で完投した。3年上別府凛一さんは「よくやった。野球部の練習中、元気な声がいつも聞こえてくる。努力する姿を近くで見ているので、勝ってほしい」とナインを見つめた。

 2死満塁の好機を迎えた7回の攻撃。「頑張れ」「いける」。保護者らは逆転を後押ししようと身を乗り出し、声を上げた。ホームは遠く、あと一歩及ばなかったが、創立129年で初の決勝進出。3年田中宗典選手の父康典さん(40)は「感無量。いい試合を見せてくれてありがとう」とねぎらった。

 1年出水悠晴さんは、野球部に入部するつもりだ。「歴史的な舞台で輝く先輩方は格好良かった。甲子園を目指して、頑張りたい」と力を込めた。

5回裏鹿屋農2死、福元が左前打を放つ=6日、鹿児島市の鴨池市民球場

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