歌や踊り、花みこし、ライトアップ…イベント盛況 14年ぶりに夜の森公園メイン会場「夜の森桜まつり」 福島県富岡町

花みこしを担ぎ、桜並木を練り歩く子どもたち=7日

 福島県富岡町で6、7の両日開かれた「夜の森桜まつり」では、ステージイベントやブース出展など多彩なイベントを繰り広げた。多くの町民らが詰めかけ、14年ぶりに夜の森公園がメイン会場となった懐かしの光景を堪能した。

 初日は歌手の香西かおりさんらのステージを実施した。あいにくの悪天候となったが、約5千人の来場者が傘を片手に、美しい歌声に耳を傾けた。

 7日は町内の子どもたちらによる「花みこし」が繰り広げられた。夜の森地区では東日本大震災発生前、サクラの咲く時期に合わせ、地元の子どもたちがみこしを担いで練り歩く恒例行事があった。なじみの景色を取り戻そうと、町民有志らでつくる夜の森まちづくり塾が企画。紙の花を飾り付けたみこしを約20人の児童らが担ぎ、桜並木などを巡った。

 県内外17のよさこい踊り団体による演舞もあり、迫力の踊りで観衆を沸かせた。旧富岡二中付近では富岡町3.11を語る会が「さくらの下でお抹茶と紙芝居の会」を開いた。足を運んだ人がサクラを眺め、春の味わいを楽しんだ。震災に関する紙芝居や民話を県内の中高生が披露した。

 歩行者天国になった桜並木では、家族連れらが間もなく満開になるサクラを背に、写真撮影などを楽しんだ。夜は、ライトアップされた幻想的な景色を満喫していた。

(相双版)

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