川前をビール王国に 元福島県いわき市地域おこし協力隊の三戸さん 今秋、醸造所オープン「秘密基地のような場所に」

川前にビール王国をつくりたいと意気込む三戸さん

 元いわき市地域おこし協力隊の三戸大輔さん(36)は今秋、福島県いわき市川前町にクラフトビール造りを体験できる醸造所をオープンする。川前町の大麦やホップを使い、地域ににぎわいを広げていきたいと考えている。

 いわき市泉町出身。28歳の時に5年間勤めたハウスメーカーを辞め、国内外を旅した。ワーキングホリデーで滞在したオーストラリアで、自家製でビールを造れる商品と出合い、ホップや酵母などの配合で香りや味が変わるビールの魅力に取りつかれた。

 技術を習得しようとドイツに渡って醸造所で働き、腕を磨いた。世界中のビールを飲み歩き、味わいの幅も広げた。帰国後は広島県福山市の醸造所で約半年間、修業した。

 2020(令和2)年に古里のいわき市に戻り、川前町の地域おこし協力隊員として町内産の原料を使ったクラフトビールを試作し、魅力を発信してきた。退任後は起業し、醸造所「SANDi BREWERY(サンディー ブルワリー)」の完成に向けて準備を進めている。小型の醸造タンク4基を備え、年間6千リットルほどを仕込めるという。予約制でビール造りを体験できる。さらに多種多様なクラフトビールを販売する予定だ。

 今後は醸造所の近くにある空き家をゲストハウスに改装したり、サウナやたき火が楽しめる場をつくったりする「川前ビール王国」構想を描く。

 三戸さんは「周辺に民家は少なく、自由に楽しめる。週末は自然豊かな川前町でビールを飲みながら過ごすなど、秘密基地のような場所にしたい」と夢を膨らませた。

 住所はいわき市川前町下桶売字藪ノ上130。インスタグラム(sandi_iwaki)で情報発信している。

(いわき版)

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