心臓と脳血管の高度医療に対応…医師、看護師も増員へ 都城市郡医師会病院が新医療センター建設、25年春稼働目指す

「心臓・脳血管センター」(左)の完成予想図(都城市郡医師会病院提供)

 宮崎県都城市北諸県郡医師会は、運営する同市郡医師会病院(同市太郎坊町)に「心臓・脳血管センター」を整備する。宮崎県西部の北諸県・西諸県両地区や鹿児島県曽於地区から搬送されてくる重症患者の対応拠点となる。既存棟の西側に建設し、2025年4月の稼働を目指す。

 鉄骨3階建て、延べ床面積約3000平方メートル。総整備費は47億円。うち30億円を宮崎県、都城市、三股町が補助する。3月31日に起工式があった。

 同病院は23年度、県内でもトップクラスの救急患者約3500件を受け入れた。しかし高度急性期医療に十分対応できておらず、宮崎市の宮崎大学付属病院などに転送を余儀なくされるケースも多い。センター整備で高度急性期医療の充実を図る。

 手術台と血管造影装置を組み合わせたハイブリッド手術室のほか、心臓血管造影室とMRI検査室、CT検査室を1室ずつ設け、病院全体で各2室とする。

 稼働後には既存棟を改修し、心臓血管外科手術室を設置。脳神経外科専用の集中治療室SCUの9床新設など、高度急性期病床を18床から37床に拡充する。

 医師や看護師も増やす予定。都城市北諸県郡医師会の田口利文会長(66)は「南海トラフ大地震時の受け入れ能力も格段に向上する。機能を十分に発揮できるよう、人材確保を進める」と述べた。

起工式であいさつする都城市北諸県郡医師会の田口利文会長=都城市太郎坊町

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