自民のアキレスけん狙う?市議選告示日、野党党首ら相次ぎ鹿児島市入り

街頭演説する立憲民主党の長妻昭政調会長=7日、鹿児島市

 鹿児島市議選が告示された7日、野党党首らがそれぞれの公認候補を応援するため鹿児島市入りした。

 立憲民主党の長妻昭政調会長は天文館で演説し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を批判。「政治が金の力でゆがめられ、地域も影響を受けている」と金権政治脱却を訴えた。

 都市部と地方の格差や少子化、非正規雇用などの対策が進まない現状について、「パーティー券が売れない分野は国の予算や法律の手当てが後回しになっている」。鹿児島の課題にも触れ、「新産業の創出が必要だが、環境が整っていない」と政府の地方活性化策の不十分さを指摘した。

 星ケ峯団地で街頭演説した国民民主党の玉木雄一郎代表は自民党の裏金事件に触れ、「金にクリーンで、納税者の立場に立った政治を取り戻さないといけない」と訴えた。

 不記載額500万円未満の議員を処分対象から外した自民の対応を問題視。「鹿児島県の平均年収をはるかに超える金額。それがとがめられない政治は許してはいけない」と糾弾した。

 「選挙を通じて有権者におかしいという声を上げてほしい。鹿児島市民が表明できるチャンスがこの市議選だ」と語った。

 参政党の神谷宗幣代表は松元地区で街頭演説。「日本人としての帰属意識を子どもの頃に持たせることが重要」と語り、教育改革や地方の重要性を強調した。

 戦後日本の教育を「言われたことを従順にやる人を大量生産する仕組み」だと批判。「アイデンティティーをしっかり持てるようにすべきだ」と呼びかけた。

 経済合理性だけを考えると人口は福岡や東京といった都市部に流出するとし、「鹿児島が好きという思いを持たないと、地方の衰退は止まらない」と危機感を示した。

街頭演説する国民民主党の玉木雄一郎代表 =7日、鹿児島市
街頭演説する参政党の神谷宗幣代表=7日、鹿児島市

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