壱岐市長選告示 4新人立候補 人口減対策や経済振興で論戦

候補者の訴えに耳を傾ける市民=壱岐市内

 7日告示された長崎県壱岐市長選は、現職の白川博一氏が引退を表明し、新人4人が争う構図となった。人口減対策や経済振興など、山積する課題解決に向け誰がかじ取り役を担うのか。16年ぶりに市のトップが交代する1週間の選挙戦が幕を開けた。
 篠原一生候補は、郷ノ浦町のホテル駐車場で出陣式を開いた。これまで島内全域を回り、人口減少や厳しい暮らし、将来への不安を改めて実感したとして「市民の声を聞き(公約として)100の政策をつくり上げた」とアピール。歴代市長が築いた基盤を生かし、市を「次のステージに押し上げる」と訴えた。
 「白川市政の改善すべきことは思い切って改善する」。坂本和久候補は芦辺町の住吉神社での出陣式でこう声を上げ、「前例主義を打ち破る」と強調。環境負荷の少ない雑穀ソルガムを耕作放棄地で栽培することで、税収や雇用の確保などにつなげるとし、「人生を懸けた戦いを最後まで走り抜く」と力を込めた。
 森俊介候補は郷ノ浦町のスーパー前で第一声を上げた。白川市政に「ビジョンやゴールがない」と批判。「壱岐を政治で有名にする」との方針を掲げ、市政の透明性を高めて「しがらみをなくす」とした。市役所の「仕事力」を上げると訴え「市民の暮らしが豊かになる。皆さんのために最前線に立つ」と語った。
 出口威智郎候補は郷ノ浦町の渡良南公民館前で第一声。地域住民らを前に冒頭、「やっとこの日が来た」と感極まった表情を浮かべた。出馬を決めてから島民約1万人の声を聞いたり、政策の説明をしたりしたと言い「壱岐の島を前進させるため、一人一人の力強い支援が必要」と声を張り上げ、支持を求めた。

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