12月退団を発表、宝塚歌劇団星組トップ娘役・舞空瞳さん 憧れの役演じ切り「充実感あふれ、110周年の節目に決断」

退団を発表した宝塚歌劇星組トップ娘役の舞空瞳さん=宝塚市栄町1、宝塚大劇場

 宝塚歌劇団を12月に退団すると発表した星組トップ娘役の舞空瞳(まいそら・ひとみ)さんが8日、宝塚大劇場(宝塚市栄町1)で会見を開いた。「宝塚を愛する気持ちは全ての頑張っていく力になった」と感謝を述べた。

 舞空さんは横浜市出身。2016年に第102期生として首席で入団し、「THE ENTERTAINER!」で初舞台を踏んだ。花組に配属され、新人公演などでヒロインに抜擢され、期待されてきた。

 19年、星組に組替えし、同年10月、礼真琴(れい・まこと)さんがトップに就任する際、相手役として入団4年目でトップ娘役に。首席入団同士の実力派ペアとして注目を集めた。愛らしい表情と伸びやかなダンス、透明感のある歌声で観客を魅了した。

 退団を決意したのはずっと憧れていた「ME AND MY GIRL」のヒロイン、サリーをやり終えた時だったという。「胸がいっぱいになり、充実感があふれ、この気持ちを胸に、宝塚110周年の節目の時に決断したいと思った」と説明した。

 思い入れの深い役を問われると「多くの課題に向き合ったが、新たな自分の扉を開くことができたと感じた役」一つとして、「ロミオとジュリエット」のジュリエットを挙げた。

 大きな壁が立ちはだかった時には、礼さんから「できなくてもいい。全力で舞台を楽しんで」と励まされ、退団を告げた際も「なこちゃん(舞空さんの愛称)の決めたことなら全力で応援するよ」と励ましてもらったそう。

 「星組の皆さんが手を離さず優しく導いてくださった」と振り返り、「信じ合える人たちに出会えたことが、かけがえのない宝物」と笑顔で語った。

 退団公演は「記憶にございません!」「Tiara Azul-Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)」(宝塚大劇場で8月17日~9月22日、東京宝塚劇場で10月19日~12月1日)。(小尾絵生)

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