「白亜の殿堂が誕生」鳥取県立美術館が完成 白壁土蔵をイメージ、世界的な建築家・槙文彦氏も参画 2025年3月開館 倉吉市

吹き抜けがあり開放的な「ひろま」。南側(写真左)はガラス張りで市街地の風景が眺められる=倉吉市駄経寺町2丁目、鳥取県立美術館

 2025年3月30日に開館する鳥取県立美術館が完成し8日、倉吉市駄経寺町2丁目の現地で竣工(しゅんこう)式があり、関係者約130人が祝った。白壁土蔵をイメージした外観で、大屋根の下に吹き抜けの開放的な「ひろま」を配置した。今後、館内の環境を整えて県立博物館(鳥取市東町2丁目)から美術品を運び込む。

 市営ラグビー場だった敷地に民間資金を活用する社会資本整備「PFI方式」を活用し、大和リース(大阪市)など県内外10社の特別目的会社が建てた。

 世界的な建築家・槙文彦氏も参画。鉄筋コンクリート造り3階建ての延べ床面積約1万600平方メートルで、1階にひろまや県民ギャラリー、2階に常設展示室5室、3階に企画展示室がある。2、3階南側に展望テラスを備え、隣接する国史跡・大御堂廃寺跡や市街地が眺められる。建設費は約65億円。

 目玉作品として購入したポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの「ブリロの箱」をはじめ、鳥取県北栄町出身の洋画家・前田寛治の「棟梁(とうりょう)の家族」など県所蔵美術品計約1万点を収める。倉吉市が整備する野外彫刻が並ぶ散策道「緑の彫刻プロムナード」と連動させるため、敷地内に野外彫刻6点の制作を進める。

 平井伸治知事は「白亜の殿堂が誕生し、これからがスタート。県民と一緒に未来に引き継げる自慢の館に仕上げたい」と話した。

 5月から毎月15日を「無料内覧日」として見学を受け入れる。要予約。申し込みは県立美術館、電話0858(47)3011。

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