旧統一教会側が即時抗告 質問権行使巡る過料決定に

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側は8日、宗教法人法に基づく文部科学省の質問権行使に回答を拒否したとして、教団の田中富広会長に過料10万円の支払いを命じた東京地裁決定を不服とし、東京高裁に即時抗告した。

 3月26日の決定で地裁は、教団を巡る22件の民事訴訟の判決で、財産権や人格権を侵害する違法行為が認定され、同様の被害者が少なからずいることが推認されると指摘。質問権行使は宗教法人審議会からの答申も踏まえて行われており適法とし、教団が一部で回答していないと認め「過料を支払わせるべきだ」とした。

 教団側は幹部による刑事事件が存在せず、行使自体が違法と主張した。決定に対し「今回の裁判所の誤りを正していく」との公式見解をホームページで公表していた。

 文科省は2022年11月以降、質問権を計7回行使。「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」をしたなどとして、教団の解散命令も請求している。東京地裁決定は法令違反について「刑罰法令に限定すべきでなく、民法上の不法行為も含む」と判断した。

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