「なぜ捜査情報を漏らしたのか」…現職警官逮捕に同僚ら怒りと恥辱「県民の信頼失い、正義は消えた」 鹿児島県警

県警巡査長が捜査情報漏えい疑いで逮捕されたことについて説明する牛垣誠首席監察官=8日午後6時半、鹿児島県警本部

 個人の犯罪経歴情報などを第三者に漏らした疑いで現職の警察官が逮捕された8日、鹿児島県警の警察官は「激震が走った」「県民に信用してもらえなくなる」と口々に嘆いた。

 事件を耳にしたベテラン警察官の胸に込み上げたのは激しい怒りだった。それからすぐに、県民への申し訳なさと自分たちの組織はどうなるのかという不安や悲しみが押し寄せたという。県民から寄せられる情報がなければ、治安は維持できない。「捜査全体に対する信頼を崩しかねない。県民に信用してもらえなくなるのが怖い」と嘆いた。

 別の警察官は「どんな理由があったとしても許されない。情報を漏らされる被害者のことを全く考えていない、正義の消えた行為で恥ずかしい」。中堅警察官は「絶対に表に出てはいけない情報で、激震が走った。調べれば誰が閲覧したのか分かるのに、なぜ多くの情報を流出させようと思ったのか」と話した。

 今回の事件は、一部ウェブメディアがインターネット上に一覧表を掲載したことを受け、県警が始めた捜査で発覚した。

 情報がウェブメディアに流出したとみられる事件の関係者は「捜査情報が捜査以外のために使われることがあって良いのか」と怒りを隠さない。「ウェブメディアが掲載した、捜査資料のような断片的な情報は臆測を呼び、さまざまな不利益を生む。なぜここまで情報をさらされなければいけないのか」と嘆いた。

〈関連〉鹿児島県警巡査長が捜査情報漏えい疑いで逮捕されたことを受け、記者説明が行われた県警本部=8日、鹿児島市鴨池新町

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