庄川遊覧船3万938人 過去最高、昨年度大台超え コロナ緩和追い風

昨年度の乗客が初の3万人超えを記録した庄川遊覧船=砺波市庄川町小牧

  ●海外から2万4313人 9割以上台湾、今期も期待

 砺波市の庄川遊覧船の2023年度の乗船客が過去最多の3万938人を記録した。台湾を中心に海外客が2万4313人と過去最高となったことが大きく寄与した。海外客は冬場の12~3月が3千~6千人台と、前年の4~6倍のペースで推移。新型コロナウイルスの規制緩和を受けて、インバウンド(訪日観光客)の伸びが鮮明になった。

 3万人の大台を超えるのは記録がある2008年度以降で初めて。これまで最も多かったのは16年度の2万8189人だった。

 庄川遊覧船は砺波市庄川町の小牧ダムと南砺市利賀村の大牧温泉を結ぶ。雪の渓谷美が宣伝され、冬の富山を代表する観光スポットとして台湾を中心に海外客の人気が高い。

 新型コロナの影響で20、21年度は1万人を割り込んたが、22年度は1万3千人台に持ち直した。23年度は4月からコロナ前に近い乗船客に戻り、7~11月を除いた7カ月で前年比200%を超えた。このうち6、12、2月は300%を超える好調ぶりだった。

 海外客は12~3月が月別の過去最高を記録。4カ月とも全乗客の9割以上を占め、1月(5175人)は98%に達した。一方で国内客は6625人で、前年比2549人減となった。海外客は9割以上が台湾からの団体客で、インドネシアやシンガポール、香港などからが続く。

 今月に台湾で発生した地震によるキャンセルは今のところ出ていない。

 境不二夫取締役支配人は「昨年度は出来過ぎ。冬以外の乗客を増やし、少しで近づけるように努力したい」と話す。当面はとなみチューリップフェアとの相乗効果が見込める4、5月の入り込みに期待する。

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