鹿児島県伊佐市大口大田の大規模太陽光発電所(メガソーラー)で3月27日に発生した火災の合同実況見分が9日、始まった。伊佐湧水消防組合と伊佐湧水署を中心に、総務省消防庁の消防研究センター(東京)、経産省、蓄電池メーカーから総勢60人以上が参加。ソーラーパネルや全焼した蓄電施設などの現状を確認しながら、火元や出火原因などを調べていた。実況見分は数日にわたって行われる。
初日は午前9時ごろから午後5時半すぎまで実施。蓄電施設の周囲を重機で片付け、消防隊員や専門家らが施設内に立ち入っていた。パネル下ものぞき込むなど慎重に調査していた。
経済産業省九州産業保安監督部(福岡市)によると、メガソーラーの建物火災は全国的にも珍しい。
火災は、リチウムイオン蓄電池など蓄電設備が入った倉庫から出火し1棟全焼した。当時、倉庫内は煙で視界が悪く、隊員が排煙機器のホースで煙を排出。いったん止めて、ホース位置を調整していたところ爆発した。燃え方が激しく、感電の恐れがあり放水できず鎮火まで20時間を要した。
消防隊員4人が負傷し、うち2人が顔や手に中等症のやけどを負い現在も入院中という。