「生活の一部 ここでできなくなるなら…」関係者落胆 静岡から常設スケートリンクが消える…5月で閉鎖 老朽化に電気代高騰が追い打ち

静岡県内で唯一の室内スケートリンクが5月いっぱいで閉鎖することを発表しました。60年以上営業してきた伝統あるリンクの撤退に悲鳴の声が上がっています。

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優雅に氷の上をすべるちびっこフィギュアスケーター。浜松市中央区の浜松スポーツセンターには県内唯一の室内スケートリンクがあり、未来のトップ選手を夢見て練習に励んでいます。

<フィギュアスケート教室に通う生徒>
「短期教室でやってみて楽しかった」
Qあこがれのスケーターは?
「浅田真央さんです」

2019年には浅田真央さんがアイスショーを開き、ショートトラックの伊藤亜由子選手などオリンピック選手も輩出したリンクがその歴史の幕を閉じようとしています。

<浜松総局 寺坂元貴記者>
「いまも現役で使われているスケートリンクですが、施設のいたるところに老朽化が確認できます」

閉鎖の大きな理由は築60年以上とみられる建物や施設が負ったダメージです。

<浜松スポーツセンター 中村知樹さん>
「老朽化に伴って錆止めのペンキなどが全部はがれていて、落ちているような状況で自分たちで修繕している」

施設の裏側をのぞくとこの施設が長い年月を経てきたことが分かります。

<浜松スポーツセンター 中村知樹さん>
「この辺の配管は60年以上前のまんまなんです」

いろいろ継ぎ足して、なんとか営業を存続してきましたが、それも限界に。古い装置は消費電力が多くエネルギー価格の高騰が追い打ちをかけ運営側は閉鎖を選択しました。

施設の閉鎖で追い込まれるのは、アイススケートを愛する人たちです。このリンクで19年フィギュアスケートのインストラクターを務めてきた河村祥子さんは、閉鎖を聞いた時、生徒の将来を案じたと話します。

<浜松フィギュアスケートクラブ 河村祥子さん>
「静岡県内のスケーターにとっては、(浜松スポーツセンターのスケートリンクは)生活の一部。ここでやるのが無理なら、ほかに夢中になれるものを見つけてもらうのか」

静岡県内唯一のリンクが閉鎖されると練習や試合のため、生徒らは静岡県外に通わなければなりません。そうなると、ウインタースポーツ離れに拍車がかかる恐れがあります。

<フィギュアスケート教室に通う生徒の保護者>
「みんながこれだけ続けてきた場所なので、できれば続けてほしい」

<浜松フィギュアスケートクラブ 河村祥子さん>
「応援する人がいらっしゃれば、手を上げてほしい」

浜松スポーツセンターは5月、スケートリンクを閉鎖し、7月には、新たにスポーツが楽しめる施設をオープンする予定です。

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