食香バラの栽培拡大 射水の研究会、山ノ谷の住民と連携 観光振興にも貢献

食香バラが植えられた射水市山ノ谷地区(いみず食香バラ研究会提供)

 射水市で活動する「食香バラ研究会」が「食べられるバラ」の栽培面積を拡大している。今春には新たに山ノ谷地区で植えており、今後、地域住民が栽培から収穫まで担えるようノウハウを伝えていく。食香バラの栽培地は観光スポットとしても人気があり、研究会はバラの栽培を通して地域を盛り上げ、「バラの町射水」の知名度アップを目指す。

 研究会では2022年から水戸田地区で「豊華(ほうか)」「紫枝(すず)」「唐華(とうか)」の計3種類の栽培を始めた。昨年は576キロを収獲し、市内外のレストランやカフェなど飲食店、雑貨屋に出荷した。水戸田地区で栽培を増やせる土地が少なくなったことから他の里山地域で栽培することを検討し、山ノ谷地区で栽培することにした。地域住民が休耕地の利活用を探っていたこともあり、研究会員と住民が連携することで一致した。

 山ノ谷地区では3月に「豊華」40本を植えた。5月中旬には初めて花を収獲する。

 食香バラは中国で育種された「食べるバラ」で千年以上の歴史がある。花弁にワックス成分が少なく、食味が良いため、お茶や料理に使用される。研究会は収穫体験やワークショップも企画し、バラの栽培が観光振興にもつながっている。

 研究会は2022年4月に設立された。食香バラの栽培本数は、群馬県中之条町が国内最多だったが、昨年中に射水市が最多になった。研究会では今後も生産エリアの拡大に取り組む予定で、事務局の福井有希夫さんは「バラを通して、地域に活気を生み出せるよう取り組んでいきたい」と述べた。

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