【六本木】企画展 ライトアップ木島櫻谷― 四季連作大屏風と沁みる「生写し」2024 年5月12日(日)まで

六本木の泉屋博古館東京では企画展 ライトアップ木島櫻谷― 四季連作大屏風と沁みる「生写し」が2024年5月12日(日)まで開催されています。

出典:リビング東京Web

木島櫻谷(このしま・おうこく1877-1938)

木島 櫻谷は、明治から昭和初期にかけて活動した、京都の日本画家。本名は木島文治郎。円山四条派の伝統を受け継いだ技巧的な写生力と情趣ある画風で、「大正の呉春」「最後の四条派」と称されました。

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四季連作屏風のパノラマ空間は必見!

大正中期に大阪茶臼山に建築された住友家本邸を飾った木島櫻谷の「四季連作屏風」は、本展覧会の見どころの一つです。四双の金屏風は、大正中期に大阪茶臼山に建築された住友家本邸であり、大正4年頃から2年をかけて制作されたものです。

展示室内は木島櫻谷の「四季連作屏風」で一度に四季を体感できる壮大なスケール感のある作品です。

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会場展示風景 ※主催者側の許可を得て撮影しています。

大阪茶臼山に建築された住友家本邸を飾った作品は縦180㎝・幅720㎝を超えており、書院大座敷にあわせて大きめのサイズです。

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会場展示風景

木島櫻谷、大正6年当時の作品です。桜の花弁の筆致にも注目です。

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会場展示風景

《柳桜図》の隣には《燕子花図》と季節感が感じられる空間です。展示室内は四方四季連作の金地大屏風に囲まれており、作品のスケール感が体感できる空間となっています。

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会場展示風景

「写生派」先人絵師たちと櫻谷

円山四条派の写生に基づく親和的表現に特色がある動物画に焦点をあて、先人画家たちによる動物表現と比較しながら櫻谷の動物画も展示されています。

円山応挙(1733~1795)は近現代の京都画壇にまでその系統が続く「円山派」の祖であり、写生を重視した画風が特色です。

応挙を中心にした円山派の全盛時代が終わったあと,文人画家である与謝蕪村の弟子で,のちに応挙の影響を受けた呉春(ごしゅん,松村月渓<まつむらげっけい>,1752~1811)から始まる四条派が、京都画壇を席巻します。

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会場展示風景

円山四条派の写生を基礎とした櫻谷は、「技巧派」や「最後の四条派」などと称されましたが、彼の描く動物は叙情的で親しみと温かさが感じられます。

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会場展示風景

文化財よ永遠に

公益財団法人住友財団では、30年以上国内外の文化財の維持・修復の費用を助成しています。助成を受けて修復された泉屋博古館所蔵作品とその修復過程が展示されています。

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会場展示風景

《毘沙門天立像》(平安時代)の作品の修復過程パネルと修復後の作品です。

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会場展示風景

美術館では修復後の作品を鑑賞することが多く、修復過程の資料と修復後の作品を比較するのは貴重な機会です。

《松・牡丹孔雀図衝立》呉春・亀岡規礼筆の作品が煌びやかに蘇っています。

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会場展示風景

桜の開花時期に合わせたように開幕した企画展 ライトアップ木島櫻谷 ― 四季連作大屏風と沁みる「生写し」は、季節感が感じられる「四季連作屏風」が見どころのひとつです。また木島櫻谷の描く動物画には写生力と深い洞察力を感じる作品が多く、見応えがあります。

会場で是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。

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