ちゃんこ被災地の力に 追手風部屋、穴水で1000食 〈1.1大震災〉

被災した住民のためにちゃんこ鍋を作る大翔(右)=10日午前11時半、穴水町川島の公立穴水総合病院

  ●出身の大翔「元気になって」

 大相撲の追手風部屋は10日、穴水町川島の公立穴水総合病院前で炊き出しを行い、鶏肉やキャベツ、タマネギなどがたっぷり入った特製しょうゆちゃんこ鍋約千食を病院職員や被災した地元住民に振る舞った。同町出身の追手風親方(元幕内大翔山)がふるさとの力になりたいと提供。同じく町出身で序二段の大翔(だいしょう)(23)=本名・橋本虹太=ら所属力士が参加した。

 提供開始の午前11時半前から付近住民が列を作った。親方らが被災者に声を掛けて、ちゃんこ鍋を手渡した。同町川島の水口紀美(としみ)さん(84)は「温かくてとてもおいしい。地元出身のお相撲さんに作ってもらえると力が湧いてくる」と笑顔を見せた。

 元日の地震で、同町志ケ浦の実家が半壊し、家の中は家具が散乱するなどの被害を受けた大翔は「変わり果てた地元の街並みを見ると胸が苦しくなった。今日の炊き出しで元気になってもらえたらうれしい」と語った。夏場所に向けては「相撲で成績を残して被災地を勇気づけたい」と意欲を示した。

 追手風部屋は穴水町で夏合宿を行うなど縁がある。追手風親方は「皆さんの笑顔を見るとうれしくなる」と話した。

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