中学校の制服「地域で共通化」全国で増加…なぜ? 「リユースしやすく家計の負担軽減に」男女も同じブレザー着用

10日、山陰両県の多くの小中学校で入学式が行われました。このうち、鳥取県大山町では、町内3つの中学校の新1年生が同じ制服を着用して入学式に臨みました。一体、どういうことなのでしょうか。

青空が広がり、満開の桜が見守る中、鳥取県大山町の中山中学校で入学式が行われました。真新しい制服に身を包んだ新1年生およそ30人が中学校生活をスタートさせました。

また、ほぼ同じ時間帯、同じく大山町内にある大山中学校と名和中学校でも入学式が行われましたが、ここでひとつ気になることが…

3つの中学校では、新入生合わせておよそ120人がみんな同じブレザーを着用しています。

実はこの制服、今年度から大山町で導入が始まった町内共通の制服です。
導入のきっかけは何だったのでしょうか。

大山町 幼児・学校教育課 浦木美穂 参事
「多様性や個人の尊重という考えから、以前から町内の学校からも要望がありました。「私服にしては?」という意見もあったんですけど、町内の方が見て、中学生が歩いているなとか分かっていただけるように、防犯の意味も含めて、やはり制服にしようと」

昨年度まで、大山町内3つの中学校では男子が詰襟の学生服、女子は各校でデザインの異なるセーラー服を制服として採用していました。

しかし、性の多様性に対する配慮や機能性向上などを目的に、およそ2年間かけて新しい制服の導入に至りました。

大山町 幼児・学校教育課 浦木美穂 参事
「児童生徒からは、動きやすい制服が良いという意見が、保護者からは洗濯しやすい、しわになりにくいという意見が多かったです。
夏はポロシャツで代用できるというのと、触っていただくとわかると思うんですけどサラサラで、生地は速乾性があり、夜洗ったら、朝乾きます。襟が汚れるという声もあり、襟の内側をブルーにして汚れが付かないようになっています」

今年度の新入生から、上は、黒のブレザー。下は、チェック柄でグレーのスラックスかスカートを選ぶことができます。

ただし、ネクタイとリボンは各中学校によって色が異なり、各中学校の生徒会メンバーや職員を中心に色を選びました。

新しい制服の価格は、これまでの制服とほぼ同じ価格帯だということです。

また、町内で制服を統一することによってこんなメリットが…

大山町 幼児・学校教育課 浦木美穂 参事
「町内同じデザインにしましたので、リユースしやすいというところがあります。親戚からもらったり、受け継ぐことで、家計の負担軽減にもなると思います」

実は、近年、このように地域の中学校で制服を共通化する動きが全国的に広がりつつあります。

大手制服メーカーのカンコーの調べによりますと、2024年度までに少なくとも全国110の自治体が地域共通の制服を採用する予定だといいます。

新入生は
「かわいいと思います」
「みんな平等にできて、みんな着やしいと思います」
「男女一緒で差がないので、そこはいいと思います」

保護者は
「今までの学生服のイメージだったので、驚きもあるし、でも子どもが着てみると、とても良いなという印象です」
「時代の流れというか、大山町もそうなったんだなと感じました。家庭で洗えたらいいなと思っていて、そういう制服になったので良かった」

誰もが着やすく、選びやすい制服が広まっています。

© 株式会社山陰放送