池辺さん新曲披露 被災者に心寄せ「祈り、そして光」 29日オープニングコンサート

新曲について説明する池辺実行委員会長(左)=県立音楽堂交流ホール

 29日に県立音楽堂コンサートホールで開かれるガルガンチュア音楽祭(北國新聞社特別協力)のオープニングコンサートで、作曲家の池辺晋一郎実行委員会長が能登半島地震の被災者に心を寄せて書き上げた新曲「祈り、そして光」が披露される。10日、同音楽堂で開かれた実行委の会合で発表された。池辺さんは「皆さんの心に少しでも元気を届けて、慰めになってくれれば」と願った。

 新曲は5分ほどの静かな曲で、珠洲(すず)にちなみ、鈴(すず)の音色で始まって終わる。池辺さんは「最後は光が差す様子を聴覚的なイメージに置き換えた」と語った。

 オープニングコンサートは、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)とガルガン・アンサンブルが出演し、OEKアーティスティック・リーダーの広上淳一さん、OEK初代常任指揮者の天沼裕子さんがタクトを振る。

 会合では能登半島地震の被災地支援に取り組むことを確認し、被災者計600人の無料招待や慰問公演の日程が発表された。チケットの販売状況も報告された。顧問の馳浩知事があいさつした。

 音楽祭は28日~5月5日の日程で「大西洋をわたる風~イギリス、アメリカの音楽~」をテーマに開かれ、クラシックを柱に映画やミュージカル、アニメなど多彩な音楽が繰り広げられる。

  ●座付き作曲家 薮田さんに決定

 県音楽文化振興事業団は10日、OEKの今季のコンポーザー・オブ・ザ・イヤー(座付き作曲家)を兵庫県出身の薮田翔一さん(40)に決定したと発表した。

 薮田さんは東京音大大学院作曲科を修了。新曲は、9月7日の岩城宏之メモリアル・コンサートで初演される。

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