音楽通じ能登復興支援 市民オーケストラ「『交響』する氷見」 14日に初の演奏会

本番を前に練習に励む「交響する氷見祝祭管弦楽団」のメンバー=氷見市仏生寺公民館

  ●管弦楽やジャズ 会場で募金

 氷見市を拠点とする市民オーケストラ「『交響』する氷見」が14日に同市久目地区交流館・体育館で演奏会を初めて開催する。昨春の結成後初となる記念の演奏会は、来場者が飲食しながら肩肘張らずに楽しめる村まつりのような雰囲気の音楽祭を目指し、能登半島地震で被災した氷見から、より甚大な被害が出た能登を応援する復興チャリティーコンサートとして音楽を通して支援の輪を広げる。

 「交響する氷見」は、氷見市触坂に移住し「天然ファーム藝術農民」の屋号で農業を営む浅見直希さん(43)と裕子さん(43)夫婦が中心になって氷見に音楽コミュニティーをつくろうと昨年3月に結成した。氷見だけでなく能登や金沢、富山、東京など各地からプロやアマを問わずに集い、地域で音楽を楽しむ活動を行う。

 第1弾の演奏会は「交響する氷見『春の祭典2024』」と銘打ち、自然豊かな中山間地の久目地区の廃校となった旧久目小を舞台に開かれる。

 交響する氷見祝祭管弦楽団が「天国と地獄(序曲)」を皮切りに、「もののけ姫」や「いつも何度でも」などスタジオジブリなどを演奏し、「アルルの女」で締めくくる。台湾出身で観光親善大使「市きときと魚大使」の林詔伶(リンショウレイ)さんが初めて作曲した「氷見の冬」も披露する。

 北陸で活動する音楽グループも応援に駆けつけ、管弦楽をはじめ、木管アンサンブルやオペラ、ジャズなども楽しめる。会場には飲食店も出店する。入場料は無料で、全席自由となる。

 演奏会は、地震で甚大な被害を受けた七尾市の管弦楽団オルビスNOTOを仲間として応援するため、会場での募金や投げ銭を支援金に充てる。

 本番を前に7日に氷見市仏生寺公民館で練習が行われ、メンバーは、金沢を中心に活動するプロミネンスリンク交響楽団を率いる朝倉崇さんの指揮で特訓に励んだ。メンバーの一人で、地震で自宅が損壊し、避難生活を続ける能登町の50代女性は「音楽を通して被災者に元気や勇気を届けたい」と意気込みを語った。

 浅見さんは初の演奏会を前に「地元の久目地区でスタートできることが大変うれしい。地震で被災された方が心の部分で豊かになるように音楽を通して支援できればと思う」と話した。

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