全編本県で撮影「山形の人への恩返しに」 映画「プロミスト・ランド」監督舞台あいさつ

本県での撮影のエピソードなどを語る飯島将史監督=山形市・ムービーオンやまがた

 山形市出身の作家・飯嶋和一さんの小説が原作の映画「プロミスト・ランド」のマスコミ向け試写会が10日、山形市のムービーオンやまがたで開かれ、飯島将史監督が舞台あいさつした。全編本県で撮影を行っており、「お世話になった山形の人たちへの恩返しになればいい」と語った。

 「プロミスト・ランド」は1983(昭和58)年に第40回小説現代新人賞を受賞した、飯嶋さんのデビュー作。マタギの伝統を受け継いできた過疎集落を舞台に、禁じられたクマ狩りに挑む若者2人の姿を描いた。撮影は昨年4~5月の約20日間、主に鶴岡市や西川町で行われた。

 飯島監督は本作の前に、鶴岡でマタギのドキュメンタリーも撮影し、「製作過程で地元の人たちと関係をつくっていった」という。せりふが少ない中で、足音や風の音などが際立ち、「人間と自然の音が対等になるように意識した」と語った。本県では全国に先駆け、6月14日から公開される。

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