山形市山寺で有償でボランティアガイドを行う「山寺観光ガイドきざはし会」が、宝珠山立石寺の魅力を十分に味わってもらおうと、2時間以上の滞在を勧めている。奥の院までの1015段の石段は70歳以上でも時間をかければ上ることができ、じっくり自然や歴史に触れられるとする。自らも平均年齢76歳ほどの同会は「山寺を堪能してほしい」と呼びかけている。
同会は1995年に発足した。現在のメンバーは同市と天童市の男女12人。観光客から依頼を受け、奥の院まで一緒に上り、歴史や史跡を説明している。ガイド料は1回3千円。
代表幹事の花輪裕宣さん(73)=天童市荒谷=によると、国内外から訪れる観光客数は新型コロナウイルス禍前の水準まで戻りつつある。一方で、ツアー客の多くは蔵王温泉や銀山温泉(尾花沢市)なども周遊するため、山寺の滞在時間は1時間半ほど。動画投稿サイト・ユーチューブなどでも1時間半で巡れるという紹介があるが、実際は奥の院まで上ることができずに、中腹などで引き返すケースもあるという。
中腹より上で同会は、奥の院で4年かけて書写した法華経(ほけきょう)を納めるためのお堂「納経堂」の歴史や、市指定有形民俗文化財「山寺立石寺奥之院の大灯籠」のいわれなど、ガイドならではの情報も伝えている。
花輪さんは「下った後は門前町で名物の玉こんにゃくを味わったり、土産品を選んだりして過ごしてほしい」と話す。三浦健一さん(73)=山形市中桜田=は「私たちはいわば種まき集団。山寺の文化を知るきっかけづくりができるといい」と思いを語る。
ガイド仲間募集
ガイドの依頼先は山寺観光協会023(695)2816(水曜定休)。高齢化に伴い新たなメンバーの募集も行っている。問い合わせは花輪さん090(7326)0407。