衣装新たに「杉山太々岩戸神楽」奉納 市貝 久木八幡宮に伝わる町無形民俗文化財

新調された衣装で奉納された神楽

 【市貝】杉山の久木八幡宮(はちまんぐう)に伝わる町無形民俗文化財「杉山太々岩戸神楽」が7日、同八幡宮で行われた。今回は老朽化した衣装や小物類を新調して初めての奉納。神楽の座員たちは下ろしたての鮮やかな色の衣装で優雅に舞い、約100人の観衆を楽しませた。

 同神楽は五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願い、明治初期から何度かの休止を挟みながら、同八幡宮の4月の小祭に奉納されてきた。今年は保存会のメンバー16人が稽古を重ね、メインとなる「五行の舞」をはじめ、「悪鬼の舞」「大天狗の舞」など8演目を披露した。

 これまで使っていた狩衣(かりぎぬ)などの衣装や、かつら、冠などの小物類は老朽化で傷みが激しかった。そのためそれらを小祭に合わせて、県や町の補助を約80万円受けるなどして新たに購入した。

 座長の杉山、衣料品店経営横山和夫(よこやまかずお)さん(74)は「補助はとてもありがたい。新しくなった衣装を使い、この神楽をどこにも負けないくらいの事業にして伝承していきたい」と意気込んでいた。

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