大震災グループ補助金、返済に苦慮 増える期間延長、減額申請

 

 東日本大震災からの施設復旧のためにグループ補助金を活用した岩手県内の一部事業者が借り入れの返済に苦慮している。補助金の4分の1に当たる自己負担分を無利子で借りる「高度化スキーム」を利用した345事業者のうち、18.6%が返済期間や金額の条件変更を申請。新型コロナウイルス禍に見舞われた2020年度以降は年40件超と増加傾向にある。11日で震災から13年1カ月となるが、再建は道半ばだ。

 県によると、2月末までにグループ補助金を受けた事業者は計1573社で金額は約919億円。うち高度化スキームを利用した事業者の貸付金額は約165億円(昨年12月末現在)。スキームの償還期限は最長5年の猶予を含め20年で、経営状況の悪化などを理由に返済期間の延長や減額などの条件変更を申し出る企業が増えている。

 条件変更した企業は64事業者で申請は計231件。1社が繰り返し行うケースもある。16年度は3件のみ、19年度は26件、20年度以降は41~51件で推移する。16年台風10号や19年台風19号に加え、コロナ禍や物価高、記録的な不漁などが企業収益を圧迫しているとみられる。

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