「特有の文化なくさない」60年の伝統“花見小屋” 最盛期は20軒以上も、今は1店舗のみ 店主「とにかくやり続ける」

長野放送

11日正午すぎ、長野市の城山公園。4月8日に開花し、11日は5分咲きに。まもなく約470本のソメイヨシノが見ごろを迎えます。

この時期の風物詩が「花見小屋」です。

やきそばにもつ煮。花見小屋「鶴亀」の人気メニューです。

提供しているのは店主の斎藤幸代さん。1994年に営業を始め今年30周年を迎えました。

花見茶屋 鶴亀・斎藤幸代さん:
「もう30年たったんだという思いと、振り返ればいろんな思い出がありますが、毎年、気が付けばここにいるというような感じ」

花見小屋は4月でも冷える長野市の春に暖かい小屋の中から桜を楽しもうと60年以上前に設置されました。

全国的にも珍しく長野独特の文化になっています。最盛期には公園一帯に20軒以上が立ち並び市民からも愛されてきました。

しかし、後継者問題や花見文化の変化などで徐々に数を減らし、2019年には4軒に。

さらに、新型コロナの影響で2020年から3年間は営業ができない状態となりました。

ようやくコロナ禍が終わり2023年、3年ぶりに再開したのは「鶴亀」1軒のみでした。

花見茶屋 鶴亀・斎藤幸代さん(2023年取材):
「私が辞めたら、70年近く続いた歴史、長野特有のこの文化をなくしてしまうという責任。私はもうやれるまで頑張って、とにかくやり続けていくだけ」

今年も先週金曜日から営業を始めた「鶴亀」。毎日、多くの客が訪れています。

客:
「花見小屋が好きで、毎年必ず来ているので続けてくれることがうれしい」
「また花見小屋が増えてにぎやかになったらいいな」

花見茶屋 鶴亀・斎藤幸代さん:
「40周年、50周年なんて言えたらいいなと思いますが、どうでしょうか。明るい未来であってほしい。あと、体力勝負ですね」

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