拉致問題即時解決へ「あらゆる手を尽くして」「米国の後ろ盾が必要」…被害者家族、米大統領の支持表明に安どや訴え

拉致問題の早期解決支援を求め、署名を呼びかける市川健一さん=3月3日、霧島市隼人町

 日米首脳会談でバイデン大統領は、北朝鮮による日本人拉致問題の即時解決へ力強い支持を表明した。1978年に鹿児島日置市の吹上浜で北朝鮮に連れ去られた市川修一さん=失踪当時(23)=と増元るみ子さん=同(24)=の家族は11日、「解決には米国の協力が不可欠。あらゆる手を尽くし、一刻も早い一括帰国を」と願った。

 市川さんの兄健一さん(79)=鹿児島県鹿屋市=はバイデン大統領の言葉を聞き、「まずは安心した」という。「高齢化が進む親世代には時間がないことも伝えてくれたのではないか。北朝鮮相手の交渉は一筋縄ではいかず米国の後ろ盾が必要だ」と話した。

 「大統領が支持してくれたのは良かったが、社交辞令のような雰囲気も感じた」と増元さんの弟照明さん(68)=東京=は話す。「『拉致問題を解決するためには、日朝首脳会談をしなければならない』と日本政府は明確に打ち出すべきだ」と訴えた。

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