消防隊員4人が負傷したメガソーラー火災 3日間の現場調査を終える 延べ160人投入、蓄電池など調査 伊佐

激しく燃えた施設の内外を調べる専門家ら=11日午後4時50分ごろ、伊佐市大口大田

 鹿児島県伊佐市大口大田の大規模太陽光発電所(メガソーラー)で3月27日に発生した火災は、現場での調査を11日終えた。関係者によると、9日から3日間で延べ約160人を投入。蓄電池や電力を変換するパワーコンディショナー(パワコン)などを重点的に調べた。原因究明のため、12日以降も調査結果を整理する。

 パワコンは、太陽光発電システムで発電された直流の電気を家庭などで利用できる交流に変換する装置。現場では連日、伊佐湧水消防組合や伊佐湧水署、総務省消防庁の消防研究センター(東京)、蓄電池メーカーなどが施設やソーラーパネルを調べ、ブルーシートで覆いながら物を運び出すなどした。

 経済産業省九州産業保安監督部(福岡市)によると、メガソーラーの建物火災は全国的にも珍しい。火災は、リチウムイオン蓄電池など蓄電設備が入った倉庫から出火し1棟全焼した。燃え方が激しく、感電の恐れから放水できないまま、鎮火まで20時間を要した。

 消防隊員4人が負傷し、うち2人が顔や手に中等症のやけどを負い現在も入院している。

現場で調査を続ける関係者ら=11日午後5時すぎ、伊佐市大口大田

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