新ブランド「玄宰(げんさい)」を立ち上げ 福島県会津若松市の末廣酒造が創業の地で

新ブランド「玄宰」の特別純米酒を手にする新城社長

 福島県会津若松市の末廣酒造は創業の地である市内中心部の「末廣酒造 嘉永(かえい)蔵」(国の登録有形文化財)で仕込んだ新ブランド「玄宰(げんさい)」を立ち上げた。11日、第1弾となる特別純米酒の出荷を開始した。来年以降、ラインアップを追加する方針。

 全国新酒鑑評会で金賞を受けてきた出品酒「大吟醸 玄宰」の名が、嘉永蔵発ブランドとして根を下ろす。コンセプトは無上の日常酒を追求―。会津らしさを打ち出すため、ラベルの揮毫(きごう)を市内の書道家に依頼した。原材料は会津産の酒造好適米、背あぶり山の伏流水を使い、コメの味わいがさわやかに広がる口当たりに仕上げた。

 末廣酒造は会津美里町の博士蔵が主力生産拠点だが、小仕込みながら、より高品質の酒を仕込める嘉永蔵を新ブランドの製造拠点とする。嘉永蔵発の市販酒販売はおよそ四半世紀ぶりになる。杜氏(とうじ)を兼ねる新城大輝社長(34)は「今後もより高い酒質を目指す」と意気込む。

 特別純米酒は720ミリリットル入り1760円(税込み)、1.8リットル入り3300円(同)。今週末には県内各地の酒販店に並ぶ予定。

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